犬のノミ駆除薬が水質汚染を引き起こす:28日間の危険性

都市の暗部に潜む化学物質の脅威

ネオ東京の水路に漂う化学物質の影。最新研究により、犬用ノミ駆除薬が水生生物に深刻な影響を与えることが明らかになった。皮膚に滴下するスポットオン治療を受けた犬が泳ぐと、殺虫成分が水中に流出し、その影響は驚くべきことに28日間も持続するという。

48時間ルールの虚構

「泳ぐ習慣のある犬にはスポットオン治療を使うべきではない」とサセックス大学のローズマリー・パーキンス博士は警告する。これまで、治療後48時間の水接触制限が推奨されてきたが、その根拠は全くなかった。博士のチームが英国の河川で検出したフィプロニル(ノミ駆除薬の主成分)の濃度は、予想を遥かに超える高レベルだった。

実験が暴いた持続的汚染

研究チームは49頭の犬を使い、フィプロニルとイミダクロプリド(ネオニコチノイド系殺虫剤)の影響を調査。治療後5日、14日、28日経過した犬を5分間水に浸し、化学物質の溶出量を測定した。結果は衝撃的だった。

大型犬1頭から28日後でも、100立方メートルの水域(数メートル規模の池に相当)の安全基準を超える量の殺虫剤が検出された。多くの犬が頻繁に泳げば、より大きな水域でも安全基準を超える可能性がある。

サイレント・スプリームの警告

パーキンス博士は規制当局のガイドライン改訂を求めるが、変化には時間がかかると予想する。飼い主にできることは、必要時以外の予防的使用を控え、治療後最低1ヶ月は水場を避けることだ。「この期間中に犬が泳げば、確実にリスクが生じます」

経口錠剤という代替手段もあるが、その影響は不明だ。有効成分は長期間持続し、糞便を通じて土壌を汚染する可能性がある。私たちはまだ、この化学物質の真の影響を知らない。

都市の排水路に流れ込む化学物質の波。その先にある生態系の崩壊は、もう始まっているのかもしれない。