金属ナノ粒子網膜インプラントが盲目マウスの視力を回復

ネオ東京の闇を照らす光の技術

上海の研究チームが、金属ナノ粒子を用いた画期的な網膜インプラントを開発した。まるでサイバーパンクの世界から飛び出したようなこの技術は、遺伝的にほぼ完全な盲目状態にされたマウスの視力を部分的に回復させることに成功した。

光を電気信号に変換するナノテクノロジー

復旦大学の王水元氏率いるチームは、失われた網膜細胞の機能を代行する金属ナノ粒子プロテーゼを設計した。この微小な粒子は、光を電気信号に変換し、神経を介して脳に伝達するという重要な役割を果たす。

実験では、3日間水を制限されたマウスに訓練を施し、スクリーン上の6cm幅の円を押すことで水を得られるようにした。視力正常なマウスの成功率78%に対し、インプラントを施した盲目マウスは68%の成功率を示した。未治療の盲目マウスはわずか27%だった。

臨床応用への道と課題

「非常に明確な効果だ」と、研究に関与していない英ニューカッスル大学のパトリック・デゲナー氏は評価する。2ヶ月後の観察では毒性の兆候はほとんど見られなかったが、長期安全性の確認にはさらなる研究が必要だ。

加齢黄斑変性や網膜色素変性症の患者にとって有望な技術だが、人間への応用には課題も多い。デゲナー氏は「マウスよりも視力の良い人間で、リスクを上回る利益が得られるかは臨床試験を待たねばならない」と慎重な見方を示す。

ネオ東京の医療技術は常に進化している。この研究が、サイバネティックな視覚回復の新たな道を開くかもしれない。しかし、その道のりはまだ長く、5年程度の長期動物試験が必要とされている。