太古の巨人の食生活に迫る
オーストラリア・クイーンズランド州で発掘されたディアマンティナサウルス・マティルダエの化石から、史上最大級の陸上生物である竜脚類の驚くべき食習慣が明らかになった。この「ジュディ」と名付けられた化石は、約9400万~1億100万年前の個体で、世界で初めて胃の内容物が保存状態で発見された竜脚類の標本だ。
未消化の植物が語る食習慣
ジュディの腹部からは、針葉樹の葉や果実、花を咲かせる植物の葉など多様な植物が確認された。驚くべきは、これらの植物がほとんど咀嚼されずに飲み込まれていたことだ。まるで巨大な生きた草刈り機のように、植物を切り取ってそのまま飲み込んでいたと考えられる。
「まるでネオ東京の巨大バイオリアクターのような消化システムだ」と研究チームは表現する。現代のゾウやサイと同様、これらの巨大恐竜も大量のメタンを排出していた可能性が高い。
完全に近い化石が解き明かす謎
全長約11メートル、首4メートル、尾3.3メートルのジュディは、死んだ時点ではまだ成長途中だったと推定される。これほど完全な状態で発見された竜脚類の化石はオーストラリアでは初めてで、皮膚の鉱物化した部分も保存されていた。
「これまでの竜脚類の食性は頭蓋骨や顎の形状から推測するしかなかったが、今回の発見で直接的な証拠を得ることができた」と研究者は語る。まるでサイバーパンクな実験室で解析されたデータのように、太古の生態系の真実が浮かび上がってきた。
多様な植物を無差別に摂取
ジュディの胃の内容物を分析した結果、地上の植物から樹木の枝まで、様々な高さの植物を区別せずに食べていたことが判明した。現代のパンダが竹に特化しているのとは対照的に、これらの巨大恐竜は文字通り「何でも食べる」雑食性の草食動物だったようだ。
この発見は、白亜紀中期の生態系における竜脚類の役割を理解する上で重要な手がかりとなる。巨大な体を維持するために、効率的に大量の植物を摂取する必要があったのだ。
研究結果はCurrent Biology誌に掲載され、ジュディの皮膚と胃の内容物はオーストラリア恐竜時代博物館で展示される予定だ。この発見は、まるでタイムカプセルから取り出されたホログラム記録のように、太古の世界の驚異を現代に伝えている。