2024年、熱帯雨林の消失面積が倍増 記録的な山火事が加速

2024年、熱帯雨林の消失面積が倍増 記録的な山火事が加速

ネオ東京のスモッグがかすむ空の下、地球の緑の肺が燃え続けている。2024年、熱帯雨林の消失面積は前年の2倍に膨れ上がり、少なくとも過去20年間で最悪の記録を更新した。衛星データが描き出すのは、気候変動とエルニーニョ現象が引き起こした「火の時代」の到来だ。

燃えさかる緑の大地

最新の分析によると、2024年に失われた原生熱帯雨林は67,000平方キロメートルに達した。これは四国の面積の約3.7倍に相当する。特に衝撃的なのは、消失の48%が山火事によるものだった点だ。前年比5倍という異常な増加は、気候変動が作り出した負のスパイラルを如実に物語っている。

火災が生む火災

「もはや農業目的の開拓だけが主因ではない」と専門家は警告する。地球温暖化が熱帯雨林を乾燥させ、かつてない規模の山火事を引き起こしている。一度燃えた土地はさらに乾燥し、次の火災を招く。この悪循環が、熱帯雨林を炭素吸収源から排出源へと変貌させつつある。

ブラジル・アマゾンの悲劇

特に被害が深刻なのはブラジルだ。28,000平方キロメートルの原生林が消失し、全熱帯地域の消失面積の42%を占めた。乾燥を利用した農地開拓が火災の60%を引き起こした。7年ぶりの記録的な干ばつが、火の手をさらに広げた。

北の大地も炎上

熱帯以外でもカナダやロシアで大規模な森林火災が発生。全世界で消失した森林面積は300,000平方キロメートルに達し、新たな不吉な記録を樹立した。これらの火災による温室効果ガス排出量は、2023年の航空業界全体の4倍以上に相当する。

回復不能の瀬戸際

「アマゾンでは通常、火災後も森林は回復する」と現地研究者は語る。しかし、極度の干ばつが続くと、「森林が完全に失われる転換点」を超えてしまう。衛星画像が捉えたのは、まさにその臨界点を超えつつある地球の姿だ。

科学者たちは警告する。我々は「人新世」ではなく「火新世(Pyrocene)」に突入したのかもしれない、と。ネオンが輝く未来都市の陰で、地球の緑は静かに燃え続けている。